総会長挨拶
第62回日本腎臓学会学術総会を、2019年6月21日(金曜日)から23日(日曜日)の3日間、名古屋国際会議場にて開催させて頂くこととなりました。総会長の大任を拝しまして、その重責に身の引き締まる思いです。副会長を務める丸山彰一教授(名古屋大学大学院医学系研究科腎臓内科学)・伊藤恭彦教授(愛知医科大学医学部腎臓・リウマチ膠原病内科)、運営事務局、一丸となって本学術総会の盛会に向け、鋭意準備を進めております。
一昨年の仙台の総会、昨年の新潟の総会におけるテーマは「深化する腎臓学・飛翔する腎臓学」であり、ともに未来の腎臓学をキーワードとしています。日本腎臓学会は基礎研究・臨床研究・海外との連携・アウトリーチ活動・他学会/製薬メーカー/PMDAへの対応など、学会の活動範囲は飛躍的に広がり、既に新時代へと突入しています。第62回の名古屋での学術総会ではこの新時代を生き抜くための方向性を改めて考える機会にしたいと思います。
あらゆる情報がデジタル化され、ビッグデータから新しい価値を生み出すデータサイエンス全盛の時代を迎えた現在、腎臓学の分野も大きな変革が予想され、第62回総会は、デジタル医療時代における腎臓学-AI・IoTがもたらす大変革の可能性について新たな時代へのメッセージを発信する重要な学術集会であると位置づけております。
2019年5月1日元号が改まり、令和元年として新しい時代を迎えました。データサイエンスによる新たな腎臓学の展望を皆さんで共有したいと考え「腎臓学・元年~データサイエンスが導く新たな世界~」とテーマを定めさせて頂きました。そして、このテーマに呼応して英語のキャッチフレーズはOpen the Futureと致しました。
今回の総会のメーンテーマであるAI・IoTについては、総会長主導企画シンポジウム「腎臓内科学へのAI・ICT技術の応用」「腎臓病学の新しい解析アプローチ」を企画しました。また、学会共同企画として、リウマチ学会、臨床移植学会との共催シンポジウムも新たに盛り込むことができました。
2017年にスタートした腎臓病療養指導士制度を踏まえて、チーム医療をテーマとしたシンポジウムも企画しており、医師のみならず幅広い職種の医療スタッフにご参加頂きたいと考えております。
第62回総会の開催都市となる名古屋市は、尾張徳川家のもとで、ものづくりが盛んとなり、「日本のものづくりの中心」として近代に至り、工業都市としての礎が築かれました。ものづくりで培われた創造力は科学研究の分野にも根付き、多くの優秀な研究者を輩出、今やノーベル賞ゆかりの土地といっても過言ではありません。ノーベル賞級の研究のフロントランナーである世界トップレベル研究拠点プログラム(WPI)名古屋大学トランスフォーマティブ生命研究所の伊丹健一郎拠点長の特別講演も予定しております。
そして、東西の都に挟まれ独特の進化を遂げた「なごやめし」も楽しみの一つにして頂ければ幸いです。
活発で有意義な議論の場となることと確信致しております。多くの皆さんのご参加を心よりお待ちしております。